1. 状態フィードバック制御
1.1 制御則
$$\mathbf{u} = -K\mathbf{x} + \mathbf{r}$$
ここで $K$ はフィードバックゲイン行列、$\mathbf{r}$ は参照入力。
1.2 閉ループ系
開ループ系:$\dot{\mathbf{x}} = A\mathbf{x} + B\mathbf{u}$
閉ループ系:$\dot{\mathbf{x}} = (A - BK)\mathbf{x} + B\mathbf{r}$
2. 極配置法
2.1 目的
閉ループ系の極($A - BK$ の固有値)を望ましい位置に配置。
2.2 極配置の定理
定理: $(A, B)$ が可制御 ⟺ 任意の極配置が実現可能
2.3 アッカーマンの公式(SISO系)
望ましい特性多項式を $\phi(s) = s^n + p_1 s^{n-1} + \cdots + p_n$ とすると:
$$K = \begin{bmatrix} 0 & \cdots & 0 & 1 \end{bmatrix} \mathcal{C}^{-1} \phi(A)$$
ここで $\mathcal{C}$ は可制御性行列。
3. 2次系の極配置
3.1 設計例
$$A = \begin{bmatrix} 0 & 1 \\ 0 & 0 \end{bmatrix}, \quad B = \begin{bmatrix} 0 \\ 1 \end{bmatrix}$$
目標極:$s = -2 \pm j2$
目標特性多項式:$(s+2-j2)(s+2+j2) = s^2 + 4s + 8$
3.2 ゲインの計算
$K = \begin{bmatrix} k_1 & k_2 \end{bmatrix}$ とすると:
$$A - BK = \begin{bmatrix} 0 & 1 \\ -k_1 & -k_2 \end{bmatrix}$$
特性方程式:$s^2 + k_2 s + k_1 = s^2 + 4s + 8$
よって $k_1 = 8$, $k_2 = 4$
4. 望ましい極の選び方
4.1 過渡応答の要求仕様
- 減衰比 $\zeta$:オーバーシュートの抑制
- 固有角周波数 $\omega_n$:応答速度
4.2 支配極の概念
高速極の影響は相対的に小さいため、支配極で設計。
4.3 実用的な指針
- 整定時間 $t_s \approx 4/\sigma$ を考慮
- オーバーシュート許容量から $\zeta$ を決定
- アクチュエータの制約を考慮
5. 定常偏差の除去
状態フィードバックのみでは定常偏差が生じる場合がある。
5.1 積分器の追加
拡大系:
$$\dot{\mathbf{x}}_a = \begin{bmatrix} A & 0 \\ -C & 0 \end{bmatrix}\mathbf{x}_a + \begin{bmatrix} B \\ 0 \end{bmatrix}\mathbf{u} + \begin{bmatrix} 0 \\ 1 \end{bmatrix}\mathbf{r}$$
6. ロバスト性の考慮
6.1 ゲイン余裕と位相余裕
極配置だけでは保証されない。
6.2 最適レギュレータとの比較
LQR(次回)では自動的に一定のロバスト性が保証される。
7. まとめ
- 状態フィードバック $\mathbf{u} = -K\mathbf{x}$ で極を任意配置可能(可制御性が必要)
- アッカーマンの公式で系統的に $K$ を計算
- 極の位置は応答仕様から決定
- 実用上はロバスト性や入力制約も考慮が必要